古いデジタルカメラを使う

ウチにはデジカメが2台ある。比較的新しい機種と、古いヤツ。
比較的新しいほうは、嫁さんのカメラ。結婚前に購入し、今でも現役。
旅行に行くときなんか、このカメラを持参する確立は高い。
富士フィルムの製品で、明るい発色と、デジタル式の画素補完が特徴。
比較的新しいといっても、2002年製だから、移り変わりの激しいデジタル家電業界の産物として捉えれば「中年のおっさん」といったところか。
それでも、本体はコンパクトだし、電源ボタンを押してから実際に使えるようになるまでの時間も短いしで、結構気に入っている。
…ま、あくまで嫁さんのカメラなんだけど^^;
メディアがスマートメディアだってのが欠点らしい欠点(注:スマートメディアは構造上大容量化が難しいらしく、最大128MBのものしか存在しない。今は衰退してしまった規格)だけど、これもまあ、そういうもんだと割り切れば何の問題もない。
壊れるまで使い続けるかもしれない…と予感させる優等生、かな。

一方の古いヤツは、comWeeが数年前に買ったNikonのデジカメ。
発売はたしか1999年の4月だから、人間で言ったら立派なおじいちゃん。
ともすると、痴呆が出てきている頃かもしれない。
コンパクトカメラのくせに、重くてでかい図体。真っ黒な容姿。
起動は遅く、たまにオートフォーカスを忘れるあたり、やっぱり痴呆っぽい。
このカメラが現役だった頃のパソコン雑誌では、このおじいちゃんの評価は非常に高かったと記憶している。
若かりし頃の、記憶の中の栄光、かな。

当時の評価通り、このカメラは「補色系CCDと高性能なレンズの組み合わせで、おとなしめだが自然な色合いの写真」を撮影できる。
有効画素数は200万画素。
今となっては一部のローエンド機がこの画素数なだけで、ほとんどのカメラがこれより高画素になっている。
携帯電話のCCDが200万画素を達成しているんだから、これも時代の流れと思うより他ないのか...。

あの頃はわしも、キレモノとして名を馳せたもんじゃ
と、今にもこのカメラが言い出しそうに感じるのは贔屓目かもしれない。

この古いデジカメ、最近までblogの写真を撮影するのに(かろうじて)使用していたが、ケータイをSH505iSに機種変したことで、事実上引退扱いになっていた。

ところが先日、何気なくこのカメラの当時の記事を検索していたら、検索結果リストの中に、気になる文字列を見つけた。
「…ファームウェアバージョンアップの方法について…」
さっそくそのページへジャンプ。
ジャンプした先には、このおじいちゃんデジカメのファーム書き換え手順が書き記されていた。
…ってことは何か?この古いデジカメに新しいファームがリリースされたってこと?
ジャンプ先の記事にはファーム置き場のURLが書かれていなかったので、あくせくとメーカーサイトへ移動。
サポートのページを探すと、ありました。おじいちゃんのファームが。
リリース日は2003年7月だから、つい1年前のこと。
…このメーカー、こんな古い機種のファームの修正までやってるのか。
ちょっと感心しつつ、早速ダウンロードしてみる。

ファームの書き換えにはフォーマットしたメモリカードが必要とのことで、最初は少し手間取ったが、何しろこっちはすでに書き換え手順の説明ページの方を先に発見している。
何度も何度も読み返し、慎重に作業を進め、無事書き換えが終了した。

ファームが新しくなったおじいちゃんは、なんだか生き生きとして、生まれ変わったように見える。
…これも贔屓目だね。
たまにオートフォーカスを忘れてしまう「まだらボケ」症状は相変わらず改善していないが(笑)、改めて生まれ変わったおじいちゃんを使ってみると、こんなところもお茶目でかわいい。

あんたのおかげで、わしはまだまだ現役じゃ。

そんな声が聞こえてきたようで、嬉しくなる。
おじいちゃんの、野暮で真っ黒な後姿がかっこいい。
これからもよろしく♪